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1990年代前半の国産パソコンRPGとAVGの発売時期

はじめに

このページは、以前書いた「 ドラクエ以前の国内パソコンゲーム 」の補足として作成した「 初期の国産パソコンRPGとAVGの発売時期 」の続きです。

上のページでは、1980年代の国産パソコンゲームのうち、個人的に有名だと思っているRPGやAVGを中心にまとめました。しかし、1990年以降のPCゲームとコンシューマゲームの発売時期もいまいち把握できていなかったので、自分が知っている個性的なゲームを中心にまとめてみました。

なお、自分はこの時期PCゲームで流行していたシミュレーションやアダルト向けのものはあまり得意ではなく、また、海外のゲームやコンシューマゲームについても詳しくありません。また1990年初頭までPC88ユーザで、その後98系へと移行しています。そのため、98系を中心としたかなり偏ったラインナップになっている点はご了承ください。

また、発売日については手元に資料がないためWeb検索で見つけた様々なページの情報をかき集めて記述しています。特定のページを基準にして収集しているわけではなく、複数のページに異なる情報が記載されているケースもあったため、信憑性は一律ではなく、一部に間違った発売日が書かれている可能性がある点はご注意ください。

プロの研究者やライターの方々には、ぜひ綿密な調査をおこなってPCゲームの歴史を後世に残していっていただけたらと思います。

1980年代のRPGやAVGの歴史については「1980年代編」をご覧ください。


国産パソコンゲームの発売時期リスト(1990年代前半編)

ゲーム名の前の記号の意味は下記です。
▼=海外ゲーム、●=コンシューマゲーム、(無印=国産PCゲーム)

発売月  ゲーム分類 コメント
1990
1990.1  夢幻の心臓IIIRPG  
 ルーンワースRPG
1990.2 ●ドラゴンクエストIVRPG  
1990.4 ●ファイナルファンタジーIIIRPG  
●時の継承者 ファンタシースターIIIRPG 3世代マルチシナリオRPG
●ファイアーエムブレムSIM シミュレーションRPG
 ミスティーブルーAVG BGMと連動したオープニング、独自の会話システム
 タッグ・オブ・ウォーETC 物語がバカゲー風の本格的な綱引きゲーム。
1990.5  46億年物語 THE進化論RPG 進化をテーマにしたSFファンタジーRPG
▼LOOM【海外】AVG
1990.6  AYAAVG CD-ROMによるアニメーションAVG
▼ウルティマVI【海外】RPG
1990.7  闇の血族(完結編は10月?)AVG ノヴェルウェアの集大成
 大航海時代SIM リコエイションゲーム
1990.8  サイレントメビウスAVG 同名の漫画を題材としたオリジナルストーリー
1990.9  ラグーンRPG ジェノサイド等で有名なZOOMが開発したRPG
 ザ・バーズ・テイル(PC98へ移植)RPG 1985年の海外有名RPGの移植、モンスターを仲間に
1990.10  サークIIRPG VRシステム採用RPGの第2弾
 黄金の羅針盤AVG 藤堂龍之介探偵日記の第2弾
 レジオナルパワーSIM SFシミュレーション
1990.11 ▼キングズクエストV【海外】AVG フルボイス版も発売された海外ストーリーAVG
1990.12  ダイナソアRPG 3DストーリーRPG
 ブライ下巻RPG ブライの完結編。時間もののストーリー
 ファーストクィーンIISIM ゴチャキャラシミュレーション第2弾
 メリーゴーランド 第4のユニット6AVG CD-ROMによる全編フル画面アニメーションAVG
 A列車で行こうIIISIM パズルから経営シミュレーションへ
1990年代に入ると、PCゲームの主力はPC98,X68,FM-Townsなどの16ビット機(32ビット機)へと移ります。PC98系は互換性を生かした圧倒的なユーザ数、X68系はスプライト等のアクションゲーム向けの高いハードウェア性能、FM-Townsは標準搭載されたCD-ROMによる大容量メディアが特徴でした。また、いわゆるDOS/Vパソコンなどと呼ばれたPC/AT互換機もこの時期から国内で普及しはじめます。ただし、1990年は8bitパソコンのゲームの成熟期でもあったので、「夢幻の心臓III」や「ミスティーブルー」「大航海時代」「サークII」など、88と98の両方に対応したゲームもまだ発売されていました。その一方で「46億年物語」「ブライ下巻」など88未発売のゲームや、「ラグーン」「闇の血族」などのX68系専用のゲーム、CD-ROMの機能を最大限に生かした「AYA」や「メリーゴーランド」などのFM-Towns専用のゲームも発売されています。スーパーファミコンが発売されたのは、この年の11月でした。
1991
1991 ▼マイト&マジックIII【海外】RPG 豊富なイベント・マウス対応
▼スペースシップ・ワーロック【海外】AVG インタラクティブムービーのはしり
1991.1  パワードールSIM 内容は硬派なシミュレーションゲーム
1991.2 ▼レミングス【海外】ETC  
 キングブリーダーRPG モンスターを育ててつれていくRPG
 プロンティスAVG 内容がジーザスIIに似たAVG
1991.3  ジーザスIIAVG 内容がプロンティスに似たAVG
 ロードモナークETC
1991.4  ノスタルジア1907AVG 爆弾解体、態度による対話システム
1991.5  プリンセスメーカーETC 美少女育成ゲーム
 アルシャークRPG SFRPG
●メタルマックスRPG RPG
1991.6 ▼4Dスポーツ ボクシング【海外】ETC ポリゴン格闘ゲーム
1991.7  ヴェインドリームRPG  
●ファイナルファンタジーIVRPG
●ソニック・ザ・ヘッジホックACT
1991.8  アトラスSIM 海洋探索、独自世界マップ創生
 SuperDepthACT Bio_100%の同人ソフト
●メタルスレイダーグローリーAVG ファミコンの本格SFAVG
1991.10  ブランディッシュRPG フルマウスオペレーションARPG
1991.12  幻影都市RPG VRシステムの集大成。八頭身キャラクター劇
 ぽっぷるメイルACT
 ロードス島戦記2 五色の魔竜RPG TRPGリプレイのゲーム化
1991年はコンシューマ機では「ファイナルファンタジーIV」や「ソニック・ザ・ヘッジホック」などが発売された年です。この年には、爆弾解体シーンで有名なAVG「ノスタルジア」や、美少女育成ゲーム「プリンセスメーカー」、エメラルドドラゴンのシステムを発展させたビジュアルシーンが特徴のRPG「アルシャーク」や「ヴェインドリーム」、プレイヤーの選択で独自の世界地図が創生されていく海洋シミュレーションの「アトラス」、フルマウスオペレーションのアクションRPG「ブランディッシュ」、VRシステムと操演システムの集大成的な作品「幻影都市」など、特徴的なゲームが発売されています。この時期に限りませんが、同人ソフトの活動が活発だった点はコンシューマにはない特徴で、規模は小さいもののいろいろなアイデアや挑戦をしたゲームが多数発表されています。
1992
1992 ▼アローン・イン・ザ・ダーク【海外】AVG 全編3DポリゴンAVG
▼ウルティマVII【海外】RPG シリーズ最高傑作と言われる、完全な日本語版は未発売
▼ウルティマ・アンダーワールド【海外】RPG なめらかに動くポリゴンマップの3DRPG
▼ウルフェンシュタイン3D【海外】FPS FPSの元祖的な存在のアクションゲーム
1992.1  ブルーRPG フリーシナリオ、自由度の高い箱庭RPG
●ロマンシング サガRPG
1992.3 ●弟切草AVG  
 ドラゴンスレイヤー英雄伝説IIRPG ストーリー主体のファミコン風RPG第2段
 川中島異聞録RPG ゴチャキャラRPG
 ふしぎの海のナディアAVG 同名アニメを本家のガイナックスがゲーム化
 太閤立志伝SIM ひとりの武士が出世を目指すシミュレーション
 レジオナルパワーIISIM 宇宙開拓SFシミュレーション
1992.4  デッド・オブ・ザ・ブレインAVG ゾンビホラーAVG、アダルト要素あり
1992.5  ソードダンサーRPG 戦闘が格闘ゲームのRPG
1992.6  緋王伝SIM モンスターを引き連れるタクティカルSIM
1992.8  フリーウィルRPG 自由度の高い箱庭RPG第2段
1992.9 ●ドラゴンクエストVRPG  
 電撃ナースAVG
1992.10 ●スナッチャー CD-ROManticAVG PCエンジン完全版(オリジナルは1988)
1992.11  エルムナイトACT 2時間半ものビジュアルシーン、擬似3Dコックピット視点
 魔京伝AVG 三人称視点のAVG、映画「幻魔大戦」リスペクト
 ソードワールドPCRPG テーブルトークがベースのRPG
1992.12  プリンセス・ミネルバRPG 女の子が主人公、3部隊構成のRPG
●ファイナルファンタジーVRPG
1992年は、海外で3D技術を利用したゲームが次々に発売されます。マップやキャラクタや敵やアイテムなどを全て3Dポリゴンで表現した「アローン・イン・ザ・ダーク」や、なめらかに動く3Dダンジョンで冒険できる「ウルティマ・アンダーワールド」、FPSの元祖的な作品「ウルフシュタイン3D」などが発売されています。コンシューマでは「ロマンシング サガ」「弟切草」「ドラゴンクエストV」「ファイナルファンタジーV」などが発売された年です。一方、パソコンゲームでは、フリーシナリオを採用し、ほとんどのNPCを仲間にでき、ストーリーを無視してラスボスを倒しにいくこともできる自由度の高さが特徴のRPG「ブルー」(「フリーウィル」「ファルアディア」はこの後継)や、ゴチャキャラシステムをRPGへ応用した「川中島異聞録」、ゾンビをテーマにした警察署内の探索もあるアダルト要素を含むAVG「デッド・オブ・ザ・ブレイン」、戦闘が格闘ゲーム風になっているRPG「ソードダンサー」、2時間半ものビジュアルシーンや擬似3Dを使ったコックピット視点で話題となった「エルムナイト」、など、独特な雰囲気を持つゲームが発売されています。
1993
1993.1 ▼ジャーニーマン・プロジェクト【海外】AVG プリレンダリング3DCGアニメーションAVG
1993.2  大航海時代IISIM 6人の主人公ごとに独特な目標とストーリー展開
 3X3 EYES 三只眼變成AVG FD版でアニメーションムービーを導入したAVG
 サバッシュIIRPG 独特な要素が満載のRPG
 マハ・バラタRPG インド神話ベースのRPG
1993.3  ブランディッシュ2RPG  
 エトワールプリンセスACT 魔法使いが主人公のジャンプアクション
1993.4 ▼7th Guest【海外】AVG インタラクティブムービーパズルAVG
 サークIIIRPG サークシリーズの完結編
●ブレスオブファイアRPG
1993.5  Windows3.1日本語版(英語版は1992)OS  
1993.6  スタークルーザーIIACT 3DポリゴンSFアクションアドベンチャーの第2弾
 宝魔ハンターライム(1994.5まで全12話)AVG TAKERUで展開されていたデジタルコミック
1993.7  バイブル・マスターSIM  
 ファーストクィーンIIISIM ゴチャキャラシミュレーション第3弾
1993.8  エルステディアRPG 2人同時プレイ可能なARPG
1993.9 ▼MYST【海外】AVG 美しい画像が特徴のクリック式謎解きAVG
●トルネコの大冒険 不思議のダンジョンAVG
1993.10  ルナティック・ドーンRPG ハードディスク専用のフリーシナリオRPG
1993.11  ハムレットRPG ポリゴンでマップが描かれた3DRPG
 デッド・オブ・ザ・ブレイン2AVG ゾンビホラーAVGの第2弾
1993.12 ▼Gabriel Knight【海外】AVG 謎解きが秀逸な三人称視点ミステリーAVG
▼マイト&マジック ダークサイドオブジーン(V)【海外】RPG 前作クラウズオブジーン(IV)と世界を合体可能
 妖撃隊 邪神降魔録RPG
 フロンティア・ユニバースSIM 惑星文明の星間交流を描くSFシミュレーション
1993年ごろになると、海外のアドベンチャーゲームでは、フルボイスがあたりまえになり、プリレンダリングの3DCGや実写映像なども活用されていきます。アーケードではこの年の年末にバーチャファイターが稼働します。コンシューマではローグライクなRPG「不思議のダンジョン」などが発売されていますが、ドラクエとFFのナンバリングの新作は発売されていません。パソコンゲームでは、斬新なシステムを多数取り入れて話題となったRPG「サバッシュII」や、今でいう地方ベンチャー的な会社としてとりあげられ、後にアダルトゲームの開発元へ転身するアイルの処女作「マハ・バラタ」、サークシリーズの完結編「サークIII」、3DポリゴンSFアクションアドベンチャーの第2弾「スタークルーザーII」、ハードディスク専用の自由度が高いフリーシナリオRPGとして有名な名作RPG「ルナティック・ドーン」などが発売されています。海外の3Dゲームも次々に国産PCへと移植され、気軽に楽しめるようになります。ゲームソフトの自動販売機「ソフトベンダーTAKERU」上では、いわゆるデジタルコミック的な連載型アドベンチャーゲーム「宝魔ハンターライム」も展開されていました。また、この年にはWindows3.1日本語版が発売されています。CD-ROMやマルチメディア機能のサポートにより、国内でもアドベンチャーゲームなどのプラットフォームとしてWindowsが機能しはじめます。
1994
1994.2 ●風の伝説ザナドゥRPG  
1994.3 ▼The Elder Scrolls【海外】RPG エルダースクロールシリーズの第1弾
 英雄伝説III 白き魔女RPG ガガーブ・トリロジーの第1弾
 レヴァリィ いざないの魔水晶 RPG
1994.4 ●ファイナルファンタジーVIRPG  
1994.6  英雄志願 GAL ACT HEROISMRPG フリーシナリオ・マルチエンディングRPG
 ファーストクィーンIVSIM  
1994.7  ポリスノーツAVG  
1994.8  無人島物語ETC サバイバルライフシミュレーション
1994.9  ルナティック・ドーンIIRPG  
1994.10  メガトン・アームズETC 3Dポリゴンロボット対戦格闘ゲーム
1994.11  ブランディッシュ3RPG  
 プライマル・スペースSIM 宇宙や生命を創生するシミュレーションゲーム
1994.12  パラケルススの魔剣RPG ラプラスの魔の続編
1994年、海外では3Dポリゴン主体のRPGエルダースクロールの第1作目が発売されています。パソコンゲームでは、物語主導のRPGとして名高い「英雄伝説III 白き魔女」、ライバルとの競い合いの要素を取り入れたフリーシナリオ・マルチエンディングのRPG「英雄志願」、無人島でのサバイバルをテーマにした「無人島物語」、3Dポリゴンで表現されたロボット同士で対戦を行う格闘ゲーム「メガトン・アームズ」などが発売されました。この表はAVGやRPGを中心にしているため載せていませんが、この時期は、海外のゲームの移植作品、各種シミュレーションゲーム、美少女ゲームやアダルトゲームなどの割合がかなり多くなっています。なお、プレイステーションはこの年の12月に発売されています。
1995
1995.1 ▼Phantasmagoria(ファンタズム)【海外】AVG 実写と3DCGを融合した残虐描写のあるホラーAVG
1995.3 ●クロノトリガーRPG  
1995.4 ●Dの食卓AVG プリレンダリング3DムービーAVG
●ヴァーチャルハイドライドRPG リアルタイム3DアクションRPG
1995.6  東京トワイライトバスターズAVG 三人称視点のAVG
1995.6?  ブルー・シカゴ・ブルースAVG JBハロルドシリーズのWindows版
1995.7  ダーク・セラフィムRPG ゴチャキャラRPG
1995.8  Windows95(日本語版は11月)OS  
1995.11 ●タクティクス・オウガSIF  
1995.12 ●ドラゴンクエストVIRPG  
●テイルズ・オブ・ファンタジアRPG
1995年、コンシューマではスーパーファミコンが成熟期をむかえ「クロノトリガー」や「テイルズ・オブ・ファンタジア」などの質の高いRPGが発売されます。一方、プレイステーションの発売によってコンシューマでも挑戦的なゲームが開発されはじめます。 この時期、パソコンの分野ではWindows95が発売されています。ハードウエアの性能の向上やWinGと呼ばれる画像を高速に扱うことができるAPIの提供などにより、アクションも含めたゲームのプラットフォームとしてWindowsが十分に機能するようになります。国産パソコンゲームも継続的に発売[注1]されてはいましたが、これ以降、環境の大きな変化がおとずれることになります。

[注1]1996年以降も、例えば日本ファルコムや工画堂スタジオなどの日本のメーカーがパソコン版のゲームを継続して発売していました。

「日本ファルコム」は1996年に「英雄伝説IV 朱紅い雫」「ブランディッシュVT」(どちらもPC98版)を発売。その後、リメイクや海外ゲームのローカライズなどもしながら、1999年にはWinodws用として「英雄伝説V 海の檻歌」(共鳴石を探し求めて旅をするRPG、発売時期的には「ドラクエVII」の少し前にあたる)を発売し、2001年に「ツヴァイ」、2002年に「VM JAPAN」、2003年に「イースVI ナビシュティムの匣」、2004年に「英雄伝説VI 空の軌跡」を発売するなど、Windowsへの移行に成功しています。

また、「工画堂スタジオ」は1991年にコンシューマへと参入(「スーパーシュヴァルツシルト」などを発売)しながら、Windows向けのゲームも並行して開発・発売(1998年に「シークエンスパラディウム」「火星計画」、1999年に「パワードール3」などを発売)しています。



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2019/4/27 リストを作成して公開。