このページは、以前書いた「 ドラクエ以前の国内パソコンゲーム 」 の補足です。
上のリンク先の文章を書いていて、パソコンとファミコンのRPGやAVGの発売時期がいまいち把握しきれなかったので時系列順に整理してみました。1980年から1990年4月までの個人的に有名だと思っているRPGやAVGを中心に、別ジャンルのゲームやマイナーなゲームもいくつか交えてピックアップしています。PCゲームに詳しい人なら載っていないゲームの発売時期も同時期のゲームから推測してもらえるかなと思います。
まとめてみて個人的に興味深かったのは、ドラクエIIIのころにはすでに「ティルナノーグ」や「ソーサリアン」が発売されていたんだなということや、ドラクエIIの約半年前に「覇邪の封印」が発売されていたんだなということ、ドラクエIVの約1年前、「ブライ上巻」と比べても半年以上前に「クリムゾンII」が発売されていたんだなということ、などでしょうか。
見てもらえばわかると思いますが、この時期のゲームの進化は、速度がとてつもなくはやいです。適切な歴史を語るには、何がおきたか1年ごとにていねいに見ていく必要があるでしょう。
このリストを見て、黎明期から様々な挑戦を繰り返していた国産パソコンゲームの歴史についてもぜひ振り返ってみていただけたらと思います。
1990年代前半については「1990年代前半編」にまとめてあります。
このリストの発売年月日は下記のサイトを参考にして記述しています。
なお、各ゲームの発売時期については正確な記録が残っていないことや機種の違いによる発売日のずれなどもあるため、実際のものと若干ずれている可能性がある点はご留意ください。また、海外のゲームは発売月の確認が難しかったので各年の先頭に月を書かずに記載しています。
ゲーム名の前の記号の意味は下記です。
▼=海外ゲーム、▽=海外ゲームの国産PCへの移植、■=アーケードゲーム、●=ファミコンゲーム、
(無印=国産PCゲーム)
発売月 | ゲーム | 分類 | コメント | |
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1980~1982 | ||||
1980 | ▼ | ゾーク | 【海外】AVG | 最初期のテキストAVG |
▼ | ミステリーハウス(シエラ版) | 【海外】AVG | 最初期のグラフィックAVG | |
▼ | Wizard and the Princess | 【海外】AVG | カラフルな画面の屋外冒険AVG | |
▼ | Adventure(Atari) | 【海外】ACT | 初期のゲーム機向け探索アクション | |
■ | パックマン、クレイジークライマーなど | 【AC】ACT | ||
地底最大の作戦 | ACT | 名作として最近リメイクされた | ||
1981 | ▼ | ウルティマ | 【海外】RPG | 2Dマップを持つ有名RPGの初代 |
▼ | ウィザードリー#1 | 【海外】RPG | 3Dマップを持つ有名RPGの初代 | |
▼ | Ali Baba and the Forty Thievesなど | 【海外】ETC | SIM+RPG風味の探索ゲーム | |
▼ | Castle Wolfensteinなど | 【海外】ETC | ステルス探索アクション | |
■ | ギャラガ、ドンキーコングなど | 【AC】ACT | ||
スペースマウス | ACT | 名作として最近リメイクされた | ||
1982 | ▼ | ウルティマII、ウィザードリー#2など | 【海外】RPG | |
▼ | トランシルバニア、タイムゾーンなど | 【海外】AVG | ||
▼ | The Caverns of Freitagなど | 【海外】ETC | リアルタイムターンベースなRPG風ゲーム | |
▼ | Dragonstomperなど | 【海外】RPG | 初期の海外製コンシューマゲーム機専用RPG | |
■ | ペンゴ、ポールポジションなど | 【AC】ACT | ||
オールキャストスタートレック | SIM | 顔グラフィックつきの会話でゲームが進行 | ||
スターフリート/B (FM7/8) | SIM | リアルタイムワイヤーフレーム3Dゲーム | ||
表参道アドベンチャー | AVG | おそらく日本初のテキストAVG | ||
ミステリーハウス(マイクロキャビン版) | AVG | 初期にヒットしたグラフィックAVG | ||
スパイ大作戦 | AVG | 戦闘要素のあるAVG | ||
ドラゴン&プリンセス、ドラゴンレアなど | ETC | RPGと名乗ってはいないがRPG風のゲーム | ||
海外では1980年に「ゾーク」(インフォコム)や「ミステリーハウス」(シエラ)などのアドベンチャーゲームが発売されました。日本では雑誌にプログラムリストが掲載される形が一般的で、ディグダグのように地面を掘って宇宙人を倒すゲーム「地底最大の作戦」などが発表されていました。なお、ハドソンソフトは前年の1979年からPCゲームの通信販売をはじめています。また、PC用テキストAVGとしてはゾークよりも前にAdventureland (Scott Adams, 1978) などが発売されています。 1981年にはウルティマやウィザードリーなどのRPGが発売され、海外で話題になりました。この時期、日本では芸夢狂人さんの名作「スペースマウス」が発売されています。地底最大の作戦とスペースマウスは近年Windows用にリメイクされています。 1982年、海外ではウルティマとウィザードリーの第2弾が発売されています。日本では「表参道アドベンチャー」(アスキー)や「ミステリーハウス」(海外版の移植ではなくマイクロキャビンが作成した日本オリジナル版)などのアドベンチャーゲームが発売されてブームのさきがけとなります。また、このころからRPG(ロールプレイングゲーム)と明確には名乗っていないものの、RPG風のゲーム(例えば「スパイ大作戦」(ポニーキャニオン)ではタイトル画面でRole Playing Adventure Gameと表示)が発売されはじめます。 |
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1983 | ||||
1983 | ▼ | ウルティマIII、ウィザードリー#3など | 【海外】RPG | |
▼ | ザ・クエスト、マスカレードなど | 【海外】AVG | ||
▼ | Gateway to Apshaiなど | 【海外】ACT | 初期の海外製アクションアドベンチャー | |
■ | CAVELON | 【AC】ACT | 中世風の城が舞台の面クリア型迷宮アクション | |
■ | ドラゴンズ・レア | 【AC】ACT | 海外のLDゲーム。QTEとアニメ映像でストーリーを表現 | |
1983.1 | ■ | ゼビウス | 【AC】ACT | |
ザ・パームス(FM7/8) | AVG | ディスクで発売された海外レベルに近い質のAVG | ||
1983.2 | 3Dゴルフシミュレーション(FM7/8) | SIM | おそらく日本初の3Dゴルフゲーム | |
星子のアドベンチャー | AVG (ETC) | 通信機のナビゲーションで進行するミニゲーム集的AVG | ||
1983.3 | 幻魔大戦 | AVG | アニメ映画のAVG化。Yes/Noとキャラの選択で進行 | |
1983.4 | 南青山アドベンチャー | AVG | 移動システムが2DフィールドのAVG | |
1983.5 | アルフガルド(FM7/8) | RPG | 雑誌掲載ではおそらく日本初のRPG | |
クフ王の秘密 | RPG | 国内初という宣伝をおそらく最初にした市販RPG | ||
▽ | ウィザード&プリンセス(国産PCへ移植) | 【移】AVG | 海外でヒットした有名AVGの国産PC移植版 | |
1983.6 | ポートピア連続殺人事件 | AVG | 堀井雄二氏AVG3部作のひとつ | |
1983.7 | 惑星メフィウス(FM7/8) | AVG | 分業制で作成されたAVG(PC88版は1983.10) | |
● | ドンキーコング、ドンキーコングJR、ポパイ | ACT | ファミコン発売時に同時発売されたタイトル | |
1983.10 | 鍵穴殺人事件 | AVG | 屋内探索の要素を含む本格的な推理AVG | |
1983.11 | ポイボス、聖剣伝説など | RPG | 最初期に作成された国産RPG | |
1983.12 | ダンジョン、バウンドット、ぱのらま島など | RPG | ||
暗黒星雲(FM7/8) | AVG | エンディングでスタッフロール(PC88版は1984.6) | ||
デゼニランド | AVG | |||
1983年は、海外でウルティマIIIやウィザードリー3が発売され、アーケードでは「ゼビウス」が稼動しはじめた年です。ファミコンが発売されたのもこの年でした。日本では、ハミングバードソフトがFM-7/8という機種用にかなり本格的なグラフィックアドベンチャーゲーム「ザ・パームス」を発売し、T&Eソフトは座標をきちんと計算して3Dでコースを表現した「3Dゴルフゲームシミュレーション」を発売しています。この年は「ポートピア連続殺人事件」や「惑星メフィウス」、「デゼニランド」などのアドベンチャーゲームが発売され人気を集めていました。光栄は国内初のRPGという宣伝をおそらく日本で最初におこなったゲーム「クフ王の秘密」を発売(同時期に「徳川家康1少年編」(ウスヰパソコンセンター)の広告でも使用されていたとの情報あり)。その後、各社から海外ゲームをまねたり紹介記事をもとに独自に考えたりして作成されたRPGが少しずつ発売されていきます。 | ||||
1984 | ||||
1984 | ▼ | クエストロン | 【海外】RPG | ゲーム内ミニゲーム、コマンド選択式 |
▼ | キングズクエスト | 【海外】AVG | 主人公キャラを動かす三人称視点のAVG | |
1984.1 | タイムシークレット、アビスなど | AVG | コマンド入力式グラフィックAVG | |
モンスターハウス (MZ80B/ 2000) | AVG | ワンキー入力式グラフィックAVG | ||
ブラックオニキス | RPG | 初期にヒットした3DRPG | ||
1984.3 | デーモンズリング | AVG | 瞬間画面表示 | |
ミコとアケミのジャングルアドベンチャー | AVG | コマンド選択式グラフィックAVG | ||
機動戦士ガンダムPART-1 | AVG | アニメ(1~2話)を追体験するタイプのAVG | ||
夢幻の心臓 | RPG | 初期にヒットした2DRPG(地下は3D) | ||
1984.4 | ウォーゲームコンストラクションキット(FM-7) | ETC | ウォーゲーム作成ツール(雑誌掲載) | |
1984.6 | ボコスカウォーズ | ETC | 多人数を操作する独特なシステムのゲーム | |
1984.7 | サラダの国のトマト姫 | AVG | ||
● | ナッツ&ミルク | 【FC】ACT | ファミコン初のサードパーティ製ゲーム | |
■ | ドルアーガの塔 | 【AC】ACT | RPG要素のある2D迷路型アクション | |
1984.8 | ■ | パックランド | 【AC】ACT | 横スクロールジャンプアクション |
英雄伝説サーガ | AVG | 複数のエンディングがあるコマンド選択式AVG | ||
▽ | ザ・クエスト(国産PCへ移植) | 【移】AVG | リアル志向の映像が美しい海外AVGの移植 | |
1984.10 | ザ・デストラップ | AVG | 途中でルートが2つに分かれるAVG | |
1984.11 | コリドール | AVG | ゲームブック風のコマンド選択式テキストAVG | |
ウイングマン | AVG | 週刊少年ジャンプ×エニックス | ||
ドラゴンスレイヤー(9月発売との情報あり) | RPG | アクションRPGのヒット作 | ||
1984.12 | ハイドライド | RPG | アクションRPGのヒット作 | |
リザード | RPG | 初心者向け3DRPG | ||
オホーツクに消ゆ | AVG | 堀井雄二氏AVG3部作のひとつ | ||
タイムトンネル | AVG | マルチエンディングをもつAVG | ||
アゲイン | AVG | マルチシナリオ、RPGパートをもつAVG | ||
テラ4001(FM7) | AVG | RPG風のパラメータと成長要素を持つAVG | ||
プラズマライン | ACT | 3Dポリゴン宇宙レースゲーム | ||
1984年、海外ではカーソル移動によるコマンド選択式などを採用したRPG「クエストロン」(SSI)や、三人称視点で遊ぶAVG「キングスクエスト」(シエラ)が発売され、アーケードでは「ドルアーガの塔」や「パックランド」などが稼動をはじめます。国産パソコンゲームではアドベンチャーゲームが大人気の年で、瞬間画面表示、ワンキー入力式やコマンド選択式、ゲームブック方式のPCゲーム化、マルチシナリオやマルチエンディング、などの様々な工夫をしたアドベンチャーゲームが発売されます。RPGでは前半に「ブラックオニキス」(BPS)や「夢幻の心臓」(クリスタルソフト)など国産の本格的なゲームが発売され、年末には「ドラゴンスレイヤー」(日本ファルコム)や「ハイドライド」(T&E)、「リザード」(クリスタルソフト)など初心者でも楽しんで遊べるRPG(完全なクリアは難しいものもあるが)が発売されます。 | ||||
1985 | ||||
1985 | ▼ | ウルティマIV、ファンタジーなど | 【海外】RPG | |
▼ | バーズテイル | 【海外】RPG | 街の3D表現、モンスターを仲間に | |
▼ | デジャヴ、トランシルバニアIIなど | 【海外】AVG | ||
▼ | Alcazar The Forgotten Fortressなど | 【海外】ACT | 海外製アクションアドベンチャー | |
▼ | リトルコンピュータピープル | 【海外】SIM | 人物観察ゲーム | |
■ | ガントレット | 【AC】ACT | ファンタジー風のヘルス制迷宮探索アクション | |
1985.1 | ■ | ドラゴンバスター | 【AC】ACT | 横スクロールアクション |
1985.2 | ファンタジアン | RPG | ウルティマの戦闘+ウィザードリーの移動+α | |
1985.3 | 道化師殺人事件 | AVG | 本格ミステリーAVG | |
1985.4 | テグザー | ACT | PC8801mkIISRのキラータイトル | |
Newゴジラ | AVG | 後半で4人の人物の任意な視点切り替え | ||
1985.5 | ザ・スクリーマー(10月発売の可能性あり) | RPG | ラストのストーリーが秀逸な3DRPG、劇画タッチの映像 | |
軽井沢誘拐案内 | AVG | 堀井雄二氏AVG3部作のひとつ | ||
1985.6 | アークスロード | RPG | 夢幻の心臓の移動+ブラックオニキスの戦闘+α | |
上海 | RPG | 海外RPGのシステムを流用した国産RPG | ||
ファランクス (MSX) | RPG | MSXの本格的なRPG | ||
1985.7 | アビスII帝王の涙 | AVG | オープニングとエンディングでクラシック音楽 | |
1985.8 | メルヘンヴェール | RPG | 可愛い敵キャラ、クラシック風音楽、ビジュアルシーン | |
カレイドスコープ | RPG | シナリオ交換可能なシステムを目指したRPG | ||
1985.9 | ● | スーパーマリオブラザース | 【FC】ACT | |
WILL | AVG | アニメーションAVG | ||
▽ | ウルティマII(国産PCへ移植) | 【移】RPG | ||
1985.10 | ザナドゥ | RPG | アクションRPGのヒット作 | |
ハイドライドII | RPG | アクションRPGのヒット作 | ||
1985.11 | 夢幻の心臓II | RPG | 2DRPGのヒット作 | |
地球戦士ライーザ | RPG | ストーリーが秀逸なSFRPG、表情付き顔グラフィック | ||
● | ボートピア連続殺人事件(FCへ移植) | 【FC】 | ファミコン版ポートピア | |
1985.12 | ▽ | ウルティマIII(国産PCへ移植) | 【移】RPG | |
▽ | ウィザードリー(国産PCへ移植) | 【移】RPG | ||
1985年は、海外で「ウルティマIV」が発売され、アーケードでは「ドラゴンバスター」が稼働しはじめます。この年の1月にPC8801mkIISRが発表され、グラフィックの性能向上やFM音源の標準搭載などにより、例えば「テグザー」(ゲームアーツ)のような、前年までと比べて飛躍的に質が向上したゲームが発売されはじめます。国産パソコンゲームではRPGの文化が花開いた年でもあります。「ファンタジアン」(クリスタルソフト)や「アークスロード」(ウィンキーソフト)など既存のゲームの要素を様々に組み合わせたゲームや、「ザ・スクリーマー」(マジカルズゥ)「地球戦士ライーザ」(エニックス)のようなエンディングのストーリーが秀逸なゲーム、「メルヘンヴェール」(システムサコム)のようなBGMが印象的なゲームなどが発売されます。年末には「ザナドゥ」(日本ファルコム)「ハイドライドII」(T&Eソフト)「夢幻の心臓II」(クリスタルソフト)などのヒット作が生まれ、「ウルティマIII」や「ウィザードリー#1」などの海外RPGの国産PCへの移植も行われています。 | ||||
1986 | ||||
1986 | ▼ | マイトアンドマジックなど | 【海外】RPG | |
▼ | ムーンミスト、ザ・キング・オブ・シカゴなど | 【海外】AVG | ||
1986.1 | リグラス | RPG | ||
▽ | ローグ(国産PCへ移植) | 【移】RPG | ||
A列車で行こう | SIM | 鉄道運用&街の発展 | ||
1986.2 | ● | ゼルダの伝説 | 【FC】ACT | アクションアドベンチャー |
シーナ | ACT | RPG要素のある3Dポリゴン風の迷路探索アクション | ||
アグレス | AVG | RPG風のパラメータと3D迷路を持つAVG | ||
レリクス(PC98版) | ACT | テーマ曲をクリスタルキングが作曲 | ||
カリグラフコンストラクション | ETC | パラパラ漫画作成ツール(簡易版の雑誌掲載1985.11) | ||
1986.3 | ● | ハイドライド・スペシャル(FCへ移植) | 【FC】RPG | |
1986.4 | ブラスティー | RPG | アニメーションRPG | |
クリスタルプリズン | AVG | 屋内探索で物語を描くコマンド入力式の隠れた名作 | ||
ウィングマン2キータクラーの復活 | AVG | すぎやまこういち氏が曲を担当 | ||
1986.5 | ● | ドラゴンクエスト | 【FC】 | |
ファイナルゾーン | ACT | 登場人物が口パクで会話するビジュアルシーン | ||
1986.6 | ロストパワー、九龍島など | RPG | ドラクエ発売当時の個性的なRPG | |
1986.7 | 覇邪の封印 | RPG | 仲間との出会いがとても印象的なRPG | |
1986.8 | ウィバーン | RPG | 3Dポリゴン風の迷路を持つSFアクションRPG | |
マーダークラブ | AVG | JBハロルドシリーズ第1弾、人物立ち絵 | ||
▽ | ファンタジー(国産PCへ移植) | 【移】RPG | ||
▽ | 照魔鏡の伝説(国産PCへ移植) | 【移】AVG | The Coveted Mirrorの和風移植版 | |
● | ワルキューレの冒険 | 【FC】RPG | ファミコン用アクションRPG | |
1986.9 | アスピック(PC60) | RPG | 終盤でモンスターを仲間に。エンディングが秀逸。 | |
1986.10 | ザナドゥシナリオII、太陽の神殿、ロマンシア | AVG, RPG | 日本ファルコムの3作品連続発売 | |
うっでぃぽこ | RPG | コミカルタッチなARPG | ||
エリュシオン(PC98) | RPG | ティルナノーグの雛形と言われることもある本格RPG | ||
■ | 源平討魔伝 | 【AC】ACT | ACで漢字かな混じり日本語を多用 | |
1986.11 | ディーヴァ | SIM | 他機種間でのデータ互換。 | |
1986.12 | 夢幻戦士ヴァリス | ACT | ビジュアルシーンをウリにしたことで話題 | |
めぞん一刻 想いでのフォトグラフ | AVG | 同名漫画をオリジナルストーリーでAVG化 | ||
アルゴー | RPG | 超デカキャラ+屋外3DRPG | ||
● | ディープダンジョン | 【FC】RPG | ファミコン用3DRPG | |
1986年はファミコンで「ゼルダの伝説」や「ドラゴンクエスト」などが発売された年です。国産パソコンゲームでは挑戦的なタイトルが次々に発売されていました。例えば、疑似3Dではないポリゴン風の3D迷路で探索するRPG要素もあるアクションゲームの「シーナ」(システムソフト)や、日本サンライズと共同でアニメーションを作成した「ブラスティー」(スクエア)、倒した敵を食べて力を取り戻していく魔王が主人公の「ロストパワー」(ウィンキーソフト)、体を乗り移ることで成長していく「レリクス」(ボースティック)、アクションゲームではビジュアルシーンでユーザを引き付けた「夢幻戦士ヴァリス」(日本テレネット)などもありました。ドラゴンクエストIIの約半年前の7月に発売された「覇邪の封印」(工画堂)は、仲間との出会いがとても印象的なRPGでした。勇者イアソンの血筋を持つ3人を仲間にする必要があるのですが、2人目は町から町へさまよっていて何度も行き違いになったり、3人目は魔獣の姿に変えられていて呪文で人間に戻すイベントがあったりしました。 | ||||
1987 | ||||
1987 | ▼ | ウィザードリー#4、ダンジョンマスターなど | 【海外】RPG | |
▼ | マニアックマンション、シャドウゲートなど | 【海外】AVG | ||
▼ | Mixed-Up Mother Goose | 【海外】AVG | 演出主体で子ども向けのシンプルなAVG | |
1987.1 | ● | リンクの冒険 | 【FC】RPG | |
● | ドラゴンクエストII | 【FC】RPG | ||
九玉伝 | RPG | 2人同時プレイが可能なアクションRPG | ||
ライレーン | ACT | PC88で高速48方向スクロール | ||
アドベンチャーツクール | ETC | コマンド選択式AVG作成ツール(雑誌掲載) | ||
1987.3 | シルフィード | ACT | 3Dシューティング | |
エルスリード | SIM | ファンタジーシミュレーション | ||
ダンジョン万次郎 | ETC | 3DRPG作成ツール(雑誌掲載は4月号) | ||
1987.4 | ● | さんまの名探偵、探偵神宮寺三郎など | 【FC】AVG | |
ジーザス | AVG | 2~3時間でクリアできるが高評価を得たAVG | ||
1987.5 | ガンダーラ | RPG | ||
1987.6 | イース | RPG | 優しさをウリにしたアクションRPG | |
サイキックウォー | RPG | SFRPGの第2弾 | ||
● | オホーツクに消ゆ(FCへ移植) | 【FC】AVG | ファミコン版オホーツク | |
■ | ドラゴンスピリット | 【AC】ACT | ||
1987.7 | ▽ | ウルティマIV(国産PCへ移植) | 【移】RPG | |
▽ | ウィザードリィ3(国産PCへ移植) | 【移】RPG | ||
ラプラスの魔 | RPG | 20世紀、1920年代を舞台としたホラーRPG | ||
女神転生(日本テレネット版) | ACT | 女神転生を原作としたアクションゲーム | ||
1987.8 | リバイバー | AVG | 三人称視点&マルチウインドウ&AI&環境効果音&マウス操作 | |
1987.9 | ● | 女神転生(ナムコ版) | 【FC】RPG | 3DRPG。モンスターを仲間に&合体強化 |
1987.10 | ● | 桃太郎伝説 | 【FC】RPG | 2DRPG。ギャグ中心 |
● | ミネルバトンサーガ | 【FC】RPG | ウルティマタイプの戦闘、傭兵のオートバトル | |
1987.11 | クリムゾン | RPG | ファミコン風RPGのPCへの逆輸入 | |
ハイドライド3 | RPG | |||
抜忍伝説 | RPG | 3人の主人公ごとに別々のストーリー、豊富なカットシーン | ||
YAKSA | ACT | 2人の主人公が合流するACT、超絶的なオープニングが話題に | ||
1987.12 | ソーサリアン | RPG | シナリオ交換可能なシステムのRPG | |
セイレーン | AVG | 動物キャラが冒険するAVG。PCMによる環境音を採用。 | ||
▽ | マイト&マジック(国産PCへ移植) | 【移】RPG | 屋外が3D表現の3DRPG。 | |
● | ファイナルファンタジー | 【FC】RPG | ||
● | ウィザードリー(FCへ移植) | 【FC】RPG | ||
1987年、海外では「ウィザードリー#4」が発売され、ファミコンでは「リンクの冒険」や「ドラゴンクエストII」、「桃太郎伝説」などのRPGや、「さんまの名探偵」、「オホーツクに消ゆ(PCからの移植)」などのAVGが注目を集めていました。「女神転生」や「ミネルバトンサーガ」のような、パソコンでもあまり類を見ない独特なシステムを持つファミコン用RPGも発売されています。国産パソコンゲームではその後の方向性を大きく変える「ジーザス」(エニックス)が4月に発売されます。このゲームは慣れた人なら下手をすると初見でも2~3時間でクリアできてしまうのですが、映画的な演出や高いストーリー性で高評価を得たアドベンチャーゲームでした。この流れの中で優しさをウリにしたRPG「イース」(日本ファルコム)も発売されています。その一方で、近代を舞台にした「ラプラスの魔」(ハミングバード)や3人の主人公に別々のストーリーがあるオムニバス形式のRPG「抜忍伝説」(ブレイングレイ)、ハイドライドシリーズの集大成「ハイドライド3」などの難易度の高いゲームも発売されています。この時期のパソコンゲームは「ジーザス」や「イース」などファミコンゲームと比べても非常に遊びやすい部類に入るゲームが登場した一方で、かなり難解なゲームも混在していたと言っていいでしょう。ちなみに、ドラクエに似たRPGをドラクエよりも前に発売していたクリスタルソフトは、ドラクエIIに意識的に似せたようにも見えるRPG「クリムゾン」を発売。ドラクエIIにそっくりな所も多いのですが、世界観を世紀末風にし「全体マップの移動中は敵と遭遇しない」「2か所を自由に行き来できる移動アイテムを採用する」など、ドラクエにはない遊びやすさも取り入れていました。 ※1987年の年末の状況は1988年の方へコメントしています。 |
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1988 | ||||
1988 | ▼ | ウルティマV、ウェイストランドなど | 【海外】RPG | |
▼ | ザ・マンホール、キングズクエストIVなど | 【海外】AVG | ||
▼ | Ys (1989.3発売の可能性あり) | 【英版】RPG | イースの海外 Master System 移植版 | |
1988.1 | ティルナノーグ(PC98) | RPG | シナリオ自動生成+AI風オート戦闘RPG | |
DOME | AVG | ノベルウェア第1弾(ノベルゲームの先駆) | ||
1988.2 | ● | ドラゴンクエストIII | 【FC】RPG | |
1988.3 | ドラゴンスピリット(X68000へ移植) | ACT | アーケードゲームのPCへの質の高い移植 | |
プロセルピア | RPG (AVG) | 物語を読むことに特化&ゲームブック風 | ||
アグニの石 | AVG | 時間にそった人物の生活サイクルを導入 | ||
1988.4 | イースII | RPG | ||
シルバーゴースト | SIM | リアルタイム多人数バトル | ||
ディガンの魔石(PC98) | RPG | 映像と音楽が美しいイベント主体のRPG | ||
RPGツクールまみりん | ETC | 2DRPG作成ツール(ログイン記事1987.11) | ||
● | ファミコン探偵倶楽部 | 【FC】AVG | ||
1988.5 | スタークルーザー | ACT | RPG要素もある3Dポリゴンアクションアドベンチャー | |
1988.6 | 琥珀色の遺言 | AVG | 大正時代が舞台のAVG | |
▽ | ファンタジーIII (国産PCへ移植) | RPG | マウス操作(PC98)部位欠損システム | |
1988.7 | ラストハルマゲドン | RPG | モンスターが主人公のRPG | |
アンジェラス | AVG | アプリシエイションシステム(物語鑑賞モード) | ||
1988.8 | エグザイル | RPG | 中東が舞台。アサシンが主人公のアクションRPG | |
1988.9 | ロードス島戦記-灰色の魔女-(PC98) | RPG | テーブルトークリプレイのゲーム化 | |
ファーストクィーン(PC98) | SIM | ゴチャキャラタイプのシミュレーションRPG | ||
怨霊戦記 | AVG | |||
1988.11 | スナッチャー | AVG | ジーザスの発展型 | |
サイオブレード | AVG | ジーザスの発展型+マウス操作 | ||
新九玉伝 | RPG | イースの発展型 | ||
1988.12 | アドヴァンスドファンタジアン | RPG | ||
サバッシュ | RPG | |||
時空の花嫁 | RPG | 豊富なイベントをもつ時間移動モノのRPG | ||
どろろ 地獄絵巻の章 | AVG | 手塚漫画のゲーム化。独自のラストを描く。 | ||
シュバルツシルト(PC98) | SIM | ストーリー性の強いSFシミュレーション | ||
▽ | ウルティマI(国産PCへ移植) | 【移】RPG | これ以降、ウルティマの再移植開始 | |
▽ | ザ・キング・オブ・シカゴ(X68,国産PCへ移植) | 【移】AVG | 多分岐マルチシナリオ、マルチエンディングのAVG | |
● | ファイナルファンタジーII | 【FC】RPG | ||
1987年の年末から1988年初頭にかけて、ファミコンでは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエストIII」が発売されています。「ファンタシースター」(1987.12)などの発売もこの時期です。これらと同時期に、パソコンゲームでは、シナリオ交換可能なRPG「ソーサリアン」(日本ファルコム)や、シナリオの自動生成に挑戦し性格を動作で表現したAI風のオート戦闘も組み込んだRPG「ティルナノーグ」(システムソフト)など、基本システム自体を工夫したRPGが発売されていました。ソーサリアンの追加シナリオは日本ファルコムから3本発売されただけでなく、「宇宙からの訪問者」(アモルファス/ブラザー工業)を皮切りに1989~1990年にかけて他社が制作したシナリオ集が7本も発売されています。この年は、ノベルゲームの先駆的なノベルウェアの第1弾「DOME」(システムサコム)や、RPGの要素を含む多人数リアルタイムシミュレーションゲームの「シルバーゴースト」(呉ソフト)、3Dポリゴンを本格的に採用した「スタークルーザー」(アルシス)、モンスターが主人公で紙製マップとシールによるアナログの遊びとも連動していたRPG「ラストハルマゲドン」、中東を舞台にアサシンが活躍する「エグザイル」(日本テレネット)などが発売されています。また「ジーザス」や「イース」に強い影響をうけたと思われる「スナッチャー」(コナミ)や「新・九玉伝」(テクノソフト)などの遊びやすいゲームも数多く発売されています。この年の年末はドラクエシリーズの新作は発売されずFF2が発売されています。また、メガドライブ(1988年10月)やPCエンジンの周辺機器CD-ROM2(1988年12月)が発売されたのもこの年の年末でした。 | ||||
1989~1990.4 | ||||
1989 | ▼ | ドラッケン、ドラゴンウォーズなど | 【海外】RPG | |
▼ | クエストフォーグローリーなど | 【海外】AVG | ||
▼ | シムシティ | 【海外】SIM | 地区整備&街の発展 | |
▼ | Legacy of the Wizard | 【英版】RPG | ドラゴンスレイヤーIVの海外NES移植版 (1989.4) | |
▼ | Dragon Warrior | 【英版】RPG | ドラクエの海外NES移植版 (1989.5) | |
1989.2 | バーニングポイント | AVG | 巧みなフキダシ表現を使った探偵ものAVG | |
1989.3 | クリムゾンII | RPG | マルチシナリオ・リンク方式 | |
1989.5 | サーク | RPG | イースの発展型 | |
秘録 首斬り館 逐電屋藤兵衛(MSX) | AVG | |||
1989.6 | 宇宙からの訪問者(ソーサリアンNewシナリオ) | RPG | 他社が作成したソーサリアンのシナリオ集第1弾 | |
ガウディ バルセロナの風 | AVG | ヒストリーリピート(HR)システム(履歴巻き戻し) | ||
1989.7 | イースIII | RPG | ||
神の聖都 | AVG | |||
● | MOTHER | 【FC】RPG | ||
1989.9 | 電脳学園 | ETC | AVG風アダルトクイズゲーム | |
Misty Vol.1 | AVG | テキスト中心で情報収集&推理、Vol.7まで発売 | ||
1989.10 | ▽ | ポリスクエストII(PC98) | AVG | MIDI音源を日本でゲームに初使用 |
1989.11 | ブライ上巻 | RPG | 8人の主人公が登場するRPG | |
ナビチューン ドラゴン航海記 | RPG | ドラゴン育成・海洋RPG | ||
1989.12 | エメラルドドラゴン | RPG | ビジュアルシーンが特徴のRPG | |
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 | RPG | ファミコン風RPGを意識して作られたRPG | ||
あーくしゅ | AVG | 進化型HRシステム(履歴一覧&巻き戻し) | ||
1990.1 | 夢幻の心臓III | RPG | ||
ルーンワース | RPG | |||
1990.2 | ● | ドラゴンクエストIV | 【FC】RPG | |
1990.4 | ● | ファイナルファンタジーIII | 【FC】RPG | |
1989年は、ハードウエアではCD-ROMドライブを全モデルに標準搭載したパソコンFM TOWNS(1989年2月)が発売された年です。 この年の前半にはファミコンRPGの方向性を採用したクリムゾンシリーズの第2段「クリムゾンII」(クリスタルソフト)が発売されます。このゲームは全5章で構成され、最初の1~4章では将来仲間になるキャラクターを主人公とした物語が展開し、最後に勇者が仲間を集める展開になる「マルチシナリオ・リンク方式」を採用していました。この方式に類似した構成は、年末に発売された南総里見八犬伝の話をモチーフに8人の主人公たちが活躍する「ブライ上巻」(リバーヒルソフト)でも採用されています。年末には、他にも日本ファルコムがファミコンRPGの方向性を取り入れて開発した「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」や、ドラマチックなストーリーや洗練されたビジュアルシーンが高く評価された「エメラルドドラゴン」(グローディア)などが発売されていました。英雄伝説では章が進むたびに街のモブキャラのセリフのほとんどを差し替えることでモブキャラにストーリーをもたせたり、戦闘でやられた直後に戦闘開始直前からやり直しができたり、コマンド選択式の戦闘での任意なオートバトル機能を採用したりしていました。エメラルドドラゴンでもオートバトルが採用されていましたが、それ以外にも相談コマンドによる仲間同士の会話でいつでも現在の目的が確認できたり、アニメ調のキャラクタが次々登場し、仲間の入れ替えがかなり頻繁に起こるストーリー展開を採用するなど、個性的な要素が見られました。その後、1990年に入り、ファミコンで「ドラゴンクエストIV」と「ファイナルファンタジーIII」が発売されることになります。 | ||||
1990.4~ | ||||
1990年代に入ると、PCゲームの主力はPC98,X68,FM-Townsなどの16ビット機(32ビット機)へと移っていきます。8ビット機では「ミスティブルー」(1990.4)や「ダイナソア」(1990.12)、「ヴェインドリーム」(1991.7)などが発売されています。16/32ビット機では、ノベルウェアの集大成「闇の血族」(1990.7)や、CD-ROMの大容量を生かした全編フル画面アニメーションAVG「メリーゴーランド 第4のユニット6」(1990.12)、フルマウスオペレーションのアクションRPG「ブランディッシュ」(1991.10)、操演システムの完成形「幻影都市」(1991.12)、2時間半ものビジュアルシーンと擬似3Dでのコックピット視点で話題となった「エルムナイト」(1992.11)、ポリゴン3Dアクションアドベンチャーの第2弾「スタークルーザーII」(1993.6)、ハードディスクの使用が前提のどこまでも世界が広がるRPG「ルナティックドーン」(1993.10)、英雄伝説の新シリーズ「英雄伝説III白き魔女」(1994.3)などが発売されています。同時期には海外の3Dゲーム(「ウルティマアンダーワールド」や「アローンインザダーク」など)が次々に移植されて話題になっています。その後、 Windows95 が発売されてPCゲームのプレイ環境は大きく変化していくことになります。 |
1990年代前半のリストも作成してみました。