その昔，ロバータウイリアムズ（Roberta Williams）という女性が，世界初の 画像付きアドベンチャーゲームMistery House を開発しました． そして，このソフトを販売するために，夫（Ken Williams）とともに会社を 立ち上げました．それが，シエラオンライン社（Sierra On-Line）です （当初はOn-Line Systemsという名前だったようです）． シエラ社はたくさんのアドベンチャーゲームを作りました． キングスクエストシリーズはそんなゲームの中のひとつです．
King's Questは，第３者の視点で主人公を動かすタイプのアクション要素を含んだ アドベンチャーゲームとしては，世界ではじめてのものと言われています． このゲームが発売された後，同様なタイプの様々なゲームがたくさん作られました． とても発展したゲームスタイルでしたが，３Ｄゲームの登場とともに，この種の タイプのゲームは発売されなくなっていきました．しかし，ゲームを楽しみたい ファンは，自分達が楽しむために，また，ゲーム開発会社に昔のゲームを見直して もらうために，ゲームを開発しはじめました．
King's Quesst II+ The Romancing the Stonesは，シエラのゲームのファンで構成される 開発集団 Tierra が作成した２本目のアドベンチャーゲームです．このゲームは 1985年に Sierra On-Line 社から発売された King's Quest 2: Romancing the Throne を モチーフに，様々な要素を加えてリメイクされたものです．音楽や絵の改善はもちろん， 新しいゲームフィールドやトラップ，ミニゲーム，ビジュアルシーン，バック ストーリーなどが追加された，全く新しいゲームになっています．
ゲームはフリーソフトとして提供されています．無料で利用できますが，いかなる 保証もありません．各自の責任で使用するようにしましょう．
ゲームは，AGDInteractive のページで公開されています．また，海外の フリーゲームを扱うサイトなどでも公開されています．本家のサイトは 検索エンジンを使えばすぐに見つかると思います．
ゲームのファイルは，プログラム本体，サウンドパック（オプション）， 音声パック（オプション）の３つに別れています． 本家Webページ（またはミラーサイト）から３つのファイルをダウンロードし， 実行すればゲームをインストールすることができます．
デスクトップにアイコンが作成されるので，それをダブルクリックして ゲームを始めます．
画面や音の設定は，最初に出ているウインドウの「GAME OPTIONS」 をクリックすると変更できます．例えばBGMが鳴らないときなどは， Sound optionsの MIDI music を Win32 MIDI Mapper に変更すると 鳴る場合があります．グラフィック機能が320x200に対応していない場合には， Graphics settings を 640x400 に変えれば動くことがあります．あるいは， Run in a window instead of full-screen にチェックを入れれば， ウインドウモードでプレイすることができます． 設定を変更したら Save をクリックしてその内容を保存しておくと良いでしょう．
ゲームを開始するには「PLAY GAME」をクリックします．タイトル画面と スタートメニューが表示されます．
オープニングのストーリーはタイトル画面で「Introduction」をクリックすると 見ることができます．ゲームをスタートするには「Begin Game」， 途中から再開するには「Continue Game」をクリックします．
ゲームはマウスを使ってプレイします．マウスを画面の上端へ移動すると， アイコンが表示されます．アイコンをクリックするとマウスの絵柄が変わります （マウスの右クリックでも変更できます．また一部のアイコンはクリックすると ウインドウが開きます）． この絵柄は行動の種類を意味します．ゲームの画面をクリックすると， クリックした対象に対してその行動を実行することができます． 例えばマウスが「人が歩く絵」の状態で画面をクリックするとその場所へ 移動します．「目の絵」にして画面をクリックすれば，その場所を調べることが できます．「手の絵」では，モノを拾ったり動かしたり操作するなど， 何らかのアクションを行うことができます．「顔にフキダシの絵」は会話や 言葉を言うときに使います．何かの「道具の絵」になっているときに 画面をクリックすれば，それに対して道具を使用することができます．
「バッグ」のアイコンは自分の「持ち物入れ」を意味しています．クリックすると， 今持っている道具を選ぶためのウインドウが開きます． ここで道具をひとつ選ぶことができます（「矢印のアイコン」は道具の選択を 意味しています）．道具をよく見たいときには，このウインドウで， 「目のアイコン」をクリックしてから道具をクリックします． 道具に対して操作したいときは，この画面で「手のアイコン」をクリックしてから 道具をクリックします．一度「道具」を選んでから，その状態で別の道具をクリック すると，その道具を別の道具に対して使うことができます． 持ち物の数が増えて画面一覧に表示できなくなった場合は，ウインドウの右にある ボタンでスクロールすることができます （取ったはずのアイテムがウインドウ内にないときは，右のスクロールボタン を押してみれば出てくることがあります）． このウインドウを閉じるには OK ボタンをクリックします．
モノを取ったり操作したり道具を使ったりする動作は，離れていると実行できない 場合があります．「You need to move closer to …」は，「…するには，もっと 近くへ移動する必要があります」という意味で，この種のメッセージが出てきたら， 場所を変えてみると良いでしょう（例えば，移動して操作すべき対象に近づいてから， クリックをしてみるなど）．
ゲームシステムの機能を呼び出すアイコンをクリックすると，音量調節やゲーム終了の ボタンなどが表示されたウインドウが開きます．SAVEはゲームの記録，RESTOREは 記録した場所から再開，QUITはゲームの終了ボタンです．ゲームの終了は， キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「Q」を押しても実行できます． このウインドウからゲームに戻るには，PLAYをクリックします．
ちなみに，このゲームはハマること（何かをし忘れたために先へ進めなくなる状態に なること）がないように作られています． 追いつめられたように見えても必ず解法があるので，めげずに頑張りましょう． ただし，時間内に作業しなければならないタイプのものに限り， セーブをするタイミングによっては解けなくなることがあります． 安易なセーブはしないように注意しましょう．
ゲームの主人公，グラハムは前作 King's Quest I で，失われた３つの宝 （将来を告げる魔法の鏡，侵略者を打ち倒す魔法の盾，空になることのない魔法の宝箱） を取り戻し，エドワード王から王位を継いで，ダベントリー王国の王となった． グラハムは自分の人生をついやして賢明に国を 指揮してきたが，同時に孤独も感じていた．そんなある日…． 城へ向かう一人の男がいた．彼はダベントリー王国の大臣ガヴェイン． グラハム王に謁見して外交や軍事関係の話をしに来たようだ．しかし，いつしか 話はグラハム王のおきさき選びの話になった…．グラハムは自分にふさわしい女性が 王国にいないことを嘆いた．
ガヴェインが去り，ため息をつくグラハム． その時，突然魔法の鏡が光を発しはじめた．鏡には映像が映し出されていた． 海を越えた先にある緑豊かな島，その奥に岩の扉と３つの光， そしてその先にある異界の海とそこにそびえ立つ塔． 塔の最上階には女性の姿が見え，そこで映像は消え去った． グラハムはこの風景がダベントリー王国に近いコリーマ島であること，そして， この女性が塔に幽閉されていて逃げたがっていることを感じとり， 救い出したいと思った．
「あなたが探していたものは見つかりましたか？陛下」．声に驚いて振り向くと ガヴェインが立っていた．グラハムは彼女こそ自分の愛する人であることを 確信し，彼女を救い出すために，コリーマ島へ行くことを決意するのだった．
少しして，コリーマ島では，魔女が洞窟で何かを作っていた．突然水晶玉が光だし， 魔女はその水晶玉に近寄っていった．水晶玉から声が聞こえる．魔女の名前は 「ハガサ」．そして水晶玉を通して話している相手は「ファーザー」と 呼ばれているようだ．ファーザーはダベントリー王国の国王が女性を救い出すために コリーマ島へ向かったことを告げ，ハガサに国王の首を切ることを 命じるのだった．