Last update 2014/4/20

はんまーアニキ習作版 開発メモ

企画と設計

UNITYと相性
UNITYでゲームを作るということで、最初に考えたのは以前作った 「ぼうけんアニキ」のお試しシナリオと同じものを再現してみることでした。 それで実際に建物を作って牢屋や宝箱や魔法陣なんかを試作してみたんですが、 どうもこう…、UNITYとの相性がよくない感じ。 「ぼうけんアニキ」はゲームに登場するトラップやイベントなどを全部 ひとつのシナリオファイルで管理していました。 いわば「中央管理型」とでもいう感じの作り方をしてたわけです。 一方、UNITYはゲーム上に配置したオブジェクトにプログラムを 貼り付けるのが基本になります。ある動作をする部品をひとつ作ってしまえば、 あとはそれをいくつもコピーして配置することができてとても便利なんです。 ですが、1回しか使わないトラップが順番に出てくるようなストーリー 仕立てのゲームではその機能が有効に使えません。 一連のイベントも基本的には分散したいくつかのプログラムを 組み合わせて作る必要があります。 言ってみれば「分散配置型」とでもいうような感じで作る方が UNITYの機能を十分に生かしたゲームになるわけです。

もちろんUNITYでも中央管理型でゲームは作れるんですが、どうせなら UNITYの機能を使って効率的にゲームを作りたいところです。そんなわけで 方針を転換し、ジャンプアクション系のゲームを作ることにしました。

フィールドデザインとスケール感
自分は今まで2Dのゲームしか作ったことがなかったので、 画面をどう構成していったらいいのかなかなか雰囲気がつかめません でした。そこで、完成場面をイメージするために、好きな3Dゲームを 再度遊んでみたりして。日本ファルコムが販売している「ぐるみん」みたいな 雰囲気にできたらいいなぁ…とか思ったりしましたが、やっぱり市販品と 同レベルなどは無理ですね(^^;

特にひとつのフィールドをどのくらいの広さにしたらいいのか、 キャラクタや障害物の大きさはどのくらいにしたら ジャンプアクション的に遊べる感じになるのか,そのスケール感がなかなか つかめませんでした。そこで、下のような絵を何枚か書いて完成場面を検討しました。
 
2Dのゲームを作るときには主人公キャラを1マスと考えて、フィールドは その何倍がいいか考えていました。それと同じように、主人公を立方体と みなしてその何倍くらいがいいのか考えることにしました。 主人公の広さがいくつぶんあれば走り回る感じが出せるか。 木の大きさをどのくらいにしたらどんな雰囲気になるのか。 障害物の高さに対してジャンプの高さと距離はどのくらいにすると 飛び移ってる感じになるのか。 ひとりで作るとなるとあまり広くしすぎることもできないんで、 あるていど遊べる場所を作りつつ手に負える範囲におさめるなら どのくらいの広さがいいか。などいろいろ考えました。
最終的には主人公の体を2×4、手を振り回す領域なども含めると4x4と 考えてこれを基本にし、縦横10倍の広さの40x40を基本フィールドの サイズとしました。この基本フィールドの周囲に木や壁などを配置して 囲んで、その中でパズル的な遊びをしてもらおうと考えたわけです (囲む部分の幅が必要なんで実際のサイズは50x50にしています)。 戦闘シーンは基本フィールド1つぶん、爆弾地帯は縦に2つ、 池のジャンプ地帯は2x2、のような感じで広さを決めていきました。

具体的には下のような絵を描きながらパズルを考えていきました。

実際にゲームで遊んでもらった人ならなんとなく雰囲気がわかって もらえるんじゃないでしょうか?ちなみに左下の3x2の部分が チュートリアル的に操作方法を学んでもらう領域、左上の縦2つが爆弾地帯、 右下2x2が池のジャンプ地帯です。 デザインの方法は一昔前の2Dゲームを作るのと同じ感じですね(^^;

ボツアイデア
作り始めにはいろいろアイデアをふくらませるもので、 1年くらい開発期間をかけるならこんな感じかな、みたいな 絵も描いたりしてました。

遺跡とか川とか山とか森とかバラエティに富んだ地域を用意して、 ひとつの地域を今回作った規模の広さで作ったらけっこうボリューム あるゲームになるかな…とか考えてみたり。

最初は魔法が使えるようにすることも考えてました。

結構本気で考えてて回復や強攻撃については主人公のアニメーションも 作ったりしたんですが、魔法を有効に使う場所が用意できそうになかったので 中止にしました。その名残りがゲーム中に残っていてCキーを押したり パッドのBボタンを押したりすると主人公がちょっとした動きをしたりします(笑)。

大きな計画を立てても、けっきょく完成しないんじゃ意味がありません。 自分の能力や気力が続くかどうかなどを考えて作る範囲を絞っていくことも 重要だろうと思います。ゲームを作りたいと思っていていつも計画倒れして しまう人は、まず完成させることを優先させてみてはどうでしょうか?


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Written by HAKASE.