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Quest2でPCゲームを3D立体視で遊ぶ方法

はじめに

Meta Quest2

このページでは、Meta Quest2 を使って DirectX11 に対応したパソコンゲームを立体視で遊ぶ方法について紹介をしています。

3D Visionのパッチを有志で提供していた Helix Mode のサイトで無償配布されている「 geo-11 3D Driver 」と、steamで無料で販売されている「 Desktop+ 」を利用して、SteamVR 内でWindows用のPCゲームを立体視します。

具体的な事例としては「那由多の軌跡:改」(日本ファルコム, NIS America. Inc.)をとりあげます。

このページの内容を応用すれば、Quest2以外のVR機器でも立体視でゲームを遊べるようになると思います。

SteamのVRゲームが遊べる環境が必要なうえに、遊ぶまでの作業もそれなりに難しくてかなり大変ですが、興味がある方は、ぜひこのページを参考にして、大画面3D立体視でのゲームプレイを体験してみていただければと思います。

※ geo-11 3D driver は、まだ開発中のバージョンなので、利用は自己責任でお願いします。ちなみに、Helix Modでは、最終的には geo-11 を HelixVison に組み込むことで、 VR で簡単に立体視でゲームを楽しめるようにすることを計画しているようです(現時点では HelixVision は nVidia のカードを利用して古いドライバを導入する必要があるなど、利用できる環境にかなりの制約がある)。今後の発展を期待したいところですね。


必要な環境

ハードウエア

ここで紹介する方法を実行するには、下記の機材が必要です。

ハードウェアの準備として、Quest Link で Quest2 を高性能なパソコンとUSBケーブルでつなぎ、 SteamVR のゲームが遊べる環境を準備してください。これについては一般的なQuest2の使い方のひとつなので、説明は省略します。

なお、1台のパソコンで、VRと立体視とゲームの3つを同時に動作させる必要があるので、通常のVRゲームが遊べるものよりも、さらに高性能なパソコンが必要になります。

ソフトウエアの準備

ソフトウエアとしては、下記を導入する必要があります。

geo-11 3D Driver は、DirectX11 に対応した3Dゲームを立体視可能なサイドバイサイドなどの形式で表示するためのModです。3D Visionのパッチを有志で提供していた Helix Mod のサイトで無償提供されています。

Desktop+ は、パソコンの画面を Quest2 などの VR 内に表示させるための「 SteamVR の拡張ソフト」です。デスクトップに表示されたサイドバイサイドなどの映像を VR 内で立体視する機能を持っています。steam のアカウントを持っていれば無料で入手可能です。

この2つのソフトウエアを利用して、DirectX11対応の3Dゲームを立体視で遊ぶというのが、このページで紹介する方法です。


PCゲームの立体視化


遊びたいゲームの確認

geo-11 3D Driver は、立体視に対応していない3Dのパソコンゲームを、無理やり立体視で表示するためのModです。DirectX11 を利用して3D画面を表示しているゲームであれば、これを利用して立体視で遊べる可能性があります。

ただし、後述しますが、全てのゲームを適切に立体視できるわけではなく、うまくいくかどうかは実際に試してみないとわかりません。

3DアクションRPG「那由多の軌跡:改」で試してみたところ、幸いなことに、字幕などの一部を除き、かなり綺麗に立体化して遊べました。ジャンプアクションと立体視の相性もかなり良いですし、PSPで発売されていたゲームのリマスター版のため、負荷も比較的軽いです。ここでは、このゲームを例にして説明をします。

ゲームの情報として、下記の3つを確認しておく必要があります。

上記のうち、上の2つの情報は steam の「システム要件」で確認できます。以下に「那由多の軌跡:改」のシステム要件の部分を画像として引用します。

那由多の軌跡:改のシステム要件

「DirectX」の項目に「Version 11」と書かれています。つまり、このゲームではDirectX11が使われていることになります。ここの数字が 11 以外になっているゲームは geo-11 では立体視できません(DirectX9 については別のソフトウエアを経由することで立体視できる場合があります)。

また、「64ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要です」と書かれています。64bit版Windowsが必須ということですから、このゲームは64bit版用のゲームということになります。ゲームによってはこの情報が OS の項目に記載されることもあります。このような記述がなければ、32bit版と64bit版の両方の可能性があります(32bit版の場合と両方に対応していて自分のWindowsに適したものが導入される場合がある)。

インストール先フォルダについては、steam のゲームであれば、「ライブラリ」で、対象のゲームを右クリックしたときに表示されるメニューの「プロパティ」を選択し、「ローカルファイル」の「参照」をクリックすれば表示されます。

インストール先フォルダの確認

これらの情報は、geo-11を導入する際に必要になるので、事前に確認しておいてください。

※ここでは説明を簡単にするために「インストール先フォルダ」と書いていますが、これは「DirectXを使用する実行形式のファイルが保存されているフォルダ」を意図しています。ランチャーと実行ファイルが分離している場合など、インストール先とは別のフォルダに実行形式のファイルがある場合には、そのフォルダと読み替えて以下の説明を読んでください。


geo-11 3D Driver の導入

ドライバのダウンロード

geo-11 3D driverは、下記の HelixMod のページで無償提供されています。

上記のリンク先のページの、中央にある黄色いマークがなされた「geo-11 v0.6.56」と書かれた部分をクリックすると、ドライバーをダウンロードできます(数字の部分は変化している可能性があります)。

ダウンロードしたファイルは圧縮されているので、アイコンを右クリックして「すべて展開…」を選択し、フォルダへと展開します。

geo-11 3D driver のダウンロードと展開

配布物の中には、いくつかのフォルダとファイルが保存されています。この中の「x32」に32bit版ゲーム用のドライバ、「x64」に64bit版ゲーム用のドライバが保存されています。

「那由多の軌跡:改」は、64bit版のゲームなので、「x64」のフォルダ内のドライバを使用します。

ゲームへの導入

立体視で遊びたいゲームのインストール先フォルダ内に、geo11のx32またはx64のフォルダ内のファイルとフォルダをコピーすることで、ゲームへドライバを導入します。

「那由多の軌跡:改」は、64bit版のゲームなので、原則としては、geo-11の「x64」のフォルダ内のすべてのファイルとフォルダを、那由多の軌跡のフォルダ内へとコピーします。

ただし、コピーをするときに、上書き保存の警告が表示される場合には、ゲームを構成するファイルとドライバが競合する可能性があります。この場合には同名のファイルのバックアップをとってからコピーすることを推奨します。

「那由多の軌跡:改」の場合には「d3dcompiler_47.dll」が重複するので、念のために、このファイルの名前を「d3dcompiler_47_.dll」などに変更してから、コピーすると良いと思います。

ゲームへの geo-11 3D driver の導入

ちなみに、導入後に geo-11 による3D表示を一時的に無効にしたい場合には、導入したファイルの中の「d3d11.dll」の名前を変更するとよいと思います。この名前のファイルが3D表示の際に利用されるため、名前を変えると本来のDirectX11が利用されて通常の状態へと戻ります。

geo-11のドライバをアンインストールしたい場合は、コピーしたファイルとフォルダを全て削除します。コピーしたファイルの中に「Uninstall.bat」というファイルがあり、これをダブルクリックすることでも同様の作業をすることができます(ただし、完全な削除ができない場合もあるので注意)。もし重複するために名前を変更したファイルがあれば、削除の作業をした後で、それをもとの名前に戻します。

動作の確認と設定

geo-11 3D Driver の導入が完了したら、ゲームを起動してサイドバイサイドの表示がなされるかを確認します。 成功すれば、下記のように2つの映像が左右にならんだ形でゲーム画面が表示されます。

geo-11による「那由多の軌跡:改」の立体視

ゲームの画面はディスプレイ全体に表示する必要があります。ウインドウ表示になっている場合には、ゲーム側のオプションなどを操作して「全画面表示」か「ボーダーレス」のどちらかで表示されるように設定を変更します。

立体感の調整などは、インストール先へコピーした geo-11 3D Driverのファイルの中の「d3dxdm.ini」という名前の設定ファイルを書き換えることでおこないます。このファイルを「メモ帳」などで開き、必要な箇所を書き換えて上書き保存をします。

ファイルの中の [Stereo] のセクションにある「dm_convergence」で立体物との距離、「dm_separation」で立体の強度を設定できます(正確には焦点までの距離と左右の目の間隔)。

自分は強めの立体感が好きなので、那由多の軌跡では下記の数値に書き換えました。

     dm_convergence = 5.0
     dm_separation = 60

設定した情報は、ゲーム画面の下部に緑色で表示されます。これらの数値は、ゲームプレイ中に、キーボードの Ctrl + F3~F6 のキーを押すことで一時的に変更できます。立体視でプレイできるようになったら、自分にあった数値を探して設定するとよいと思います。

ちなみに、この緑色で表示された数値が常に表示されてしまう場合は、もうひとつの設定ファイルである「d3dx.ini」の中に書かれた「hunting=1」の部分を「hunting=0」に書き換えれば非表示にできます。この部分を書き換えても Shift+F6 のキーで再表示できるので、書き換えておくと良いでしょう。

ここまでの作業により、ゲーム側の立体視の準備は完了です。

3D表示に対応したプロジェクタや3DTVがあれば、この画面を表示して3D立体視の機能を有効にすれば、立体視でゲームを楽しめます。

次に、VR機器である Quest2 を使って、これを立体視で遊ぶ方法を解説します。


Quest2の準備

これ以降は、Quest2 と パソコンをUSBケーブルでつなぎ、Quest Link を有効にして、SteamVRのゲームを遊ぶ環境が準備できているものとして解説をします。まだ準備ができていない場合は、事前にPCVRが使える環境の準備を済ませてください。


Desktop+ のインストール

Desktop+ は SteamVRの機能を拡張するソフトウエアです。steam から無料で購入することができます。

steam 上で、普通にゲームを購入して遊ぶときと同様の方法で、Desktop+をインストールしてください。つまり、ストアの検索機能で Desktop+ の販売ページを探し、「無料」のボタンで購入の作業をし、ライブラリで「インストール」の作業をおこなってください。

Desktop+ の起動と確認

インストールが完了したら、次にQuest2で Desktop+ を起動します。

そのために、まず、Quest2をパソコンとUSBケーブルで接続し、電源を入れて Quest Link を有効にして VR内で、Riftの画面を表示してください。

次に、右手側のVRコントローラの設定ボタンでRiftの操作パネルを表示し、その右側にある「ディスプレイの絵のアイコン」を選択してデスクトップ画面を表示します。

そのVR内のデスクトップ画面で steam のライブラリから「 Desktop+ 」のページを表示し、「起動」をクリックします。

しばらくすると、SteamVRが起動します(設定にもよりますが、基本的には、黒い床に円と線が描かれていて遠くに山脈が表示された広い空間が表示されます)。

SteamVR と Desktop+ の起動

少し時間をあけてから、左手側のVRコントローラにある「設定用のボタン」(3つの線が描かれたボタン)を押します。そうすると、SteamVR用の操作パネルが表示されます。

このとき、下図のように、左から3つ目の場所に、「D」の文字がデザインされた「Desktop+」のアイコンが表示されます。この状態になっていれば「 Desktop+ 」の導入は完了です。

Desktop+ のアイコン

立体視で遊ぶための設定

SteamVRの設定

ゲームパッドを使う場合には、SteamVRのゲームパッドの設定を無効にしておく必要があります。そうしないと、ゲームをプレイ中に、ゲームパッドをVRコントローラーとして利用しようとして誤動作が生じます。

下記の方法で無効にできます。

  1. SteamVRの操作パネルで右端の歯車を選択
  2. 左側の一覧から「スタートアップ/シャットダウン」を選択
  3. 「アドオンの管理」を選択
  4. 「Gamepad Support」を「オフ」にする

ゲームパッドのVRサポートを無効にする方法

上記の設定をおこなっても、ゲームパッドがVRコントローラとして動作してしまうことがあります。これは、主に、SteamVR の画面でゲームパッドを認識させることによって生じます。その場合には、Dexktop+ の画面へと切り替えた後で、ゲームパッドをパソコンに接続するなどして認識をさせてください。

ちなみに、私は「電源スイッチ付きの無線ゲームパッド」を持っているので、毎回 Desktop+ に切り替えてからゲームパッドの電源スイッチを入れるようにしています。

なお、「スタートアップ/シャットダウン」の設定画面では、SteamVRが起動したときに、自動的に Desktop+ も起動させるように設定することができます(「スタートアップオーバーレイアプリの選択」で「 Desktop+ 」を「オン」にする)。頻繁にDesktop+を使う人は設定しておくと良いでしょう。

Desktop+の設定

SteamVRの操作パネルで、左から3つ目にある Desktop+ のアイコンを選択すると、Desktop+の画面に切り替わり、下図のように、SteamVRの操作パネルの上に、少し大きめの5つのボタンと、パソコンのデスクトップ画面が表示されたウインドウが出現します。

Desktop+ の操作ボタン

ちなみに、この状態で様々な操作をすることで、さらにデスクトップ画面を追加で複数出現させることができます。これが Desktop+ の本来の使い方なのですが、このデスクトップ画面が3D立体視に対応しているため、今回は、その機能を使ってゲームを立体視で表示します。

下記の操作で3D立体視の機能を有効にできます。

  1. Desktop+ のボタンの右端にある「歯車」を選択
    (SteamVRの歯車ボタンではないので注意)
  2. 左端の「 Overlay 」を選択
  3. 中央の青いタブで「 Advansed 」を選択
  4. 3D Mode を「Half Side-by-Side」に変更

Desktop+ でサイドバイサイドの立体視を有効にする方法

この作業をすると、デスクトップ画面の半分が左目、もう半分が右目に表示されるため、VR内に表示されるデスクトップ画面が、ちらちらとした感じのおかしな表示になると思います。

この状態で、デスクトップにサイドバイサイドの映像を表示すると、それがVR内では立体的に表示されることになります。

左右の映像が逆になっていて正常に立体視できない場合には、ここの「Swap Left/Right Eye」にチェックを入れると問題を解決できます。立体視でゲームを動かしたときに、背景が手前に飛び出しておかしな表示になる場合には、この設定を変更してください(geo-11を通常の設定で利用する場合には、ここのチェックは外しておく必要があります)。

なお、この「Overlay」の設定画面で、「General」のタブを開くと、デスクトップ画面を表示しているウインドウの距離や大きさや曲がり具合などを調整できます。

表示方法の調整

各設定値はマウスで選択できる範囲が決まっていますが、右端にある「ー」や「+」のボタンを押し続けることで、その範囲をこえて大きく変化させることができます。例えば巨大なスクリーンを遠くに設置したいと思った場合に、「Forward/Backward Offset」の項目の右端の「-」を押し続けて、距離を -12 m などに設定することなども可能です。

これでVR側の準備が完了しました。


ゲームの起動とプレイ

ゲームの画面をサイドバイサイドで表示する準備と、VR内でサイドバイサイドの画面を立体視する準備ができたら、最後にこれらを組み合わせてゲームを3D立体視で表示します。

ゲームを起動する手順

上記の準備がすべて完了していれば、VR内でゲームを3D立体視で遊ぶことができます。

なお、ここでは、新たにゲームを始めることを想定して、Quest2をパソコンに接続するところから、立体視でゲームを遊ぶところまでの、全体の基本的な流れを説明します。

1:Quest Link で SteamVR と Desktop+ を起動する

まず、Quest2をパソコンに接続して装着し、Quest Linkを有効にして Riftの操作パネルを開きます。

次に、デスクトップ画面を表示して、steamからDesktop+を起動します。

2:SteamVRでデスクトップ画面を表示する

SteamVRが起動したら、左手側のVRコントローラーのボタンでSteamVRの操作パネルを表示します。

この操作パネルの左から2つ目のボタンを選択して、デスクトップ画面を表示します。

このとき、もし、下図のような SteamVR の設定用のウインドウがデスクトップ画面上に表示されていた場合には、右上の「最小化ボタン」(タイトルバーの「-」のボタン)を押して、このウインドウを非表示にしておきます。

SteamVRのウインドウ

これ以外にも、常にデスクトップの最前面に表示されるウインドウなどがある場合には、それらも最小化ボタンですべて非表示にしておく必要があるので注意してください。

3:ゲームを起動する

VR内に表示されているデスクトップ画面上で、通常のゲームを起動する手順で、立体視で遊びたいゲームを起動します。

例えば「那由多の軌跡:改」であれば、steamのライブラリからこのゲームのページを表示して、「プレイ」を選択して起動します。

那由多の軌跡:改の起動画面

このとき、ゲームがVRをサポートしていないことと、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があることを示す警告が表示されます。そのまま「OK」を選択してゲームを起動します。

起動に成功すると、VR内にサイドバイサイドでゲーム画面が表示されます。

※ゲームを起動したときに、周囲が劇場のようなシーンへと変化し、そこにゲーム画面が表示された場合は「デスクトップゲームシアター」が有効になっている可能性があります。その場合には、一度ゲームを終了し、steamのライブラリで起動対象のゲームのプロパティを開いて「一般」のタブを選び、「SteamVRが有効なときはデスクトップゲームシアターを使用する」のチェックをはずして、再度、ゲームを起動しなおしてください。

4:Desktop+の画面に切り替える

最後に、SteamVRの操作パネルで Desktop+ のアイコンを選択してモードをDesktop+へと切り替えます。

設定が完了していれば、ゲームを起動する前にはおかしな表示になっていたデスクトップ画面のウインドウ内に、分割されていないひとつのゲーム画面が表示されているはずです。

Desktop+でのゲーム画面

もしDesktop+の画面へ移行しても、左右に並んだ2つの画面が表示されていた場合には3Dが無効になっています。上述した Desktop+ の設定で3Dの表示方法を「Half Side-by-Side」に切替てください。

ゲームパッドを使う場合には、このタイミングでパソコンにゲームパッドを認識させます(ゲームパッドをパソコンに接続する、または、ゲームパッドの電源を入れる、など)。

5:立体視ゲームで遊ぶ

ゲームをスタートさせると、大画面の立体視でゲームを楽しむことができると思います。

画面の大きさや距離、立体具合などの変更方法についてはすでに上記で説明をしているので、参考にしながら遊びやすいように調整をしてください。

6:終了する

立体視でのプレイを終えたい場合には、まずゲーム内で普通にゲームを終了する操作をします。次に、SteamVRの操作パネルの左端のボタンでVRを終了することで、SteamVRを終了します(この操作でDesktop+も終了されます)。最後に Riftの操作パネルの左端のボタンで Quest Link の接続を切ります。これで正常にPCゲームの立体視プレイを終了できます。


他のゲームを立体視するときの注意

他のゲームをgeo-11で立体視する際には、いくつか注意すべきことがあります。

geo-11は立体視に対応していないゲームを無理やり立体視にするので、ネットゲームに使用すると、不正行為とみなされる可能性があります。ジャンプアクションなどはかなり操作しやすくなりますし、ゲームの動作が不安定になることもあるので、特に対戦型のゲームなどではルール上の問題がおきる可能性があります。使用は自己責任でお願いします。

また、このページでは、geo-11のファイルのコピー先について、「那由多の軌跡:改」を導入する際のわかりやすさを重視して「インストール先フォルダ」という表現を使いました。ですが、実際には、これは「DirectX11を使用する実行形式のファイルが保存されているフォルダ」を意図しています。導入対象のゲームのインストール先にゲーム本体の実行形式のファイルがない場合には、それがあるサブフォルダを探してそこへとコピーをしてください。

それから、geo-11 3D Driver は、DirectX11対応の全てのゲームを完璧に立体視できるわけではありません。機能しない場合もありますし、影や煙の表現などのような一部の表示が立体化されない場合もあります。

一部だけが立体化されない場合は、その部分を非表示にしたり正しく表示されるように修正したりするパッチを作成する必要があります。

geo-11 を提供している Helix Mod は、もともとは、Nvidia 3D Vision でゲームを3D立体視するときに生じたこれらの問題を解消するために有志の人たちが開発した Mod (修正パッチ)を提供するサイトでした。geo-11では、これらの 3D Vision用のパッチのほとんどをそのまま利用できます。

Helix Mod にパッチが提供されている DirectX11 対応のゲームでは、下記の方法でgeo-11を用いた立体視が可能です。

  1. ゲームに Helix Mod のパッチを適用する
  2. geo-11 3D driver を導入する際に、すべてのファイルをコピーするのではなく、「d3d11.dll」 「d3dxdm.ini」 「nvapi.dll(またはnvapi64.dll)」 の3つのファイルだけをゲームのインストール先フォルダへとコピーする。
  3. パッチに付属の「 d3dx.ini 」を編集し、 force_stereo の行頭に「;」が書かれていた場合には削除したうえで、数値を「2」に書き換える。
    (「; force_stereo=1」を「force_stereo=2」に書き換える)。

パッチが公開されていないゲームで、うまく立体化できない部分がごく一部だけだった場合には、それを修正したり非表示にしたりするような設定ファイルを自力で自作することができます。これにはかなり手間がかかるので、具体的な方法はここでは説明しませんが、機会があれば解説を書くことも検討してみたいと思います。



Room HAKASE
更新履歴
2022/11/13 他のゲームへgeo-11を導入する際の注意の内容を追加。
2022/11/6 Quest2とgeo-11 3D DriverとDesktop+を利用してゲームを立体視で遊ぶ方法を紹介する文章を作成して公開。